去年、ケララ州に遊びに行ったときに撮った、カタカリの映像をご紹介します。
カタカリとは、1500年前ころから存在したといわれる
男だけで演じられる舞踊劇のことです。
ケララのカタカリ(ムドラー)
( ↑ これは、ムドラーの説明です。言葉を使う代わりに、いろんな手の表情で表現します)
ヴェーダを題材として、神々の世界を、言葉を使わず、
(時に、きゃーとか、ぎゃーとかの奇声は発しますが)
様々な喜怒哀楽の表情と、ムドラー(手印)だけで
内容を伝えていきます。
布を巧みに使って、隠れたり、体の一部分だけを見せたりして
「次の展開はどうなるの?早く見たい!」
と子供に返ったように、ドキドキ・ワクワクさせられました。
劇が始まる前に、30分ほど、踊り手たちが化粧をする様子を
舞台の上で見せてくれます。
化粧に使う粉は全て天然のものらしく、植物にココナッツオイルを混ぜて伸ばし
色を出しているそうです。こういった説明も全て、劇の前に丁寧にしてくれていました。
私が今回見たのは、あるハンサムな神様に恋をした悪魔が、女神に化けて
その神様をそそのかすというお話です。
(↑右に、美しい女神に化けた悪魔。しとやかな女のフリをしている)
最初は美しく化けた悪魔に、神様もはっとしますが、
結婚を迫られ、何度か断っていると
悪魔は腹を立て、とうとう、正体を現します。
白く美しく化けていた女神が
激しく怒り狂った悪魔に変身し、
神と戦いを始めるところが、この舞台の一番の見どころでしょうか。
友人にこの写真を見せると、「歌舞伎に似てるね」
とのこと。
後で、調べると、実は、このカタカリ、歌舞伎の起源とも言われているそうです。
(また、中国の京劇の起源とも)
ぜひ、みなさんもケララに行かれたら、毎日見られるチャンスがあるので
行ってみてくださいね~