~視力回復編~ 解説書

  

注意点

アルコール摂取後、または食後2時間はお控え下さい。

妊娠中、その他の病気で通院中の方は医師に相談の上、行われるようお願いします。

体調不良の時、頭痛がひどいときにはヨガは避けてください。

ヨガを初めて行う方は、好転反応が起こることがあります。

一時的に症状が悪化したように見えることで、

実際は、心身が自然の機能を取り戻す過程で膿を出しているような状態です。

ヨガ中に起こった事故、怪我、トラブルに関しては責任を負いかねますので

十分注意の上、無理のない範囲で行ってください。

このテキストの無断転売、無断譲渡は禁止です。よろしくお願いします。

 

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オススメ情報!

ぬらしたタオルをレンジに入れるか、お湯でタオルをぬらして首回りを温めてください。

タオルが冷めるまで置いて、リラックスしてください。とっても気持ちいいですよ。

 

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レッスン解説

<内観法>

目を閉じて、気持ちを落ち着け、

ヨガを始める準備をします。

全身に意識をめぐらせて、

繊細さを養い、さまざまな気づきを高めます。

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<視力回復のためのヨガ>

Jyoti Trataka ジョティ トラタカ(目の浄化法)

<準備>キャンドルを用意する。目がねや、コンタクトレンズは外す。

時計や、アクセサリーも外す。正座かあぐらで座る。

背筋を伸ばし、肩はリラックス。目を閉じて心を落ち着かせる。

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<キャンドルを、ぼんやり見つめる>

1.目を開けたら、何度かまばたきをして床の方を見る。

2.少しずつ、視線をキャンドルに持っていく。

キャンドル立て、炎の先っぽ、炎の芯をひとつひとつ見ていく。

3.目に力を入れずに、キャンドル全体を、まばたきをせずに見つめる。

4.イライラする感覚が訪れても、心を落ち着かせ、涙が出てくれば、そのままにしておく。

涙が目の汚れを洗い流してくれるとイメージしながら、30秒ほど続ける。

5.目を閉じ、手をこすり、両手で目をおおう。手から出てくるエネルギーで目を癒す。5回繰り返す。

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<キャンドルを凝視する>

1.目を開けたら、何度かまばたきをして床の方を見る。

2.少しずつ、視線をキャンドルに持っていく。

キャンドル立て、炎の先っぽ、炎の芯をひとつひとつを最初はぼんやり見ていく。

3.炎の中の一点、たとえば、「芯」をじっと見つめる。今度は集中して見つめる。

心も一点に集中してくる。

30秒ほど続ける。

4.イライラする感覚が訪れても、心を落ち着かせ、涙が出てくれば、そのままにしておく。

涙が目の汚れを洗い流してくれるとイメージしながら、30秒ほど続ける。

5.目を閉じ、手をこすり、両手で目をおおう。手から出てくるエネルギーで目を癒す。5回繰り返す。

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<焦点を外す>

1.目を開けたら、何度かまばたきをして床の方を見る。

2.少しずつ、視線をキャンドルに持っていく。

キャンドル立て、炎の先っぽ、炎の芯をひとつひとつを最初はぼんやり見ていく。

3.炎の中の一点、たとえば、「芯」をじっと見つめる。そこから、今度は、視野を周りに広げていく。

ゆっくり、周りに意識を広げていく。意識が広がると、どんな変化が自分に起こるか、繊細に感じ取る。

4.一分間、それを行った後、焦点を炎に戻し、目を閉じる。

5.目の裏に、さっきまで見ていたものをイメージする。全ての詳細を思い出すようにする。

6.イメージが消えてきたら、こすった両手を目に当てる。

ポイント:夜、暗くなってから行うこと。目をおおうとき、眼球は押さないこと。

効果:目を浄化する。不眠症、不安、ストレス、うつ病に効く。

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Forcacing フォーカシング

1.正座かあぐらで座る。背筋を伸ばし、肩はリラックス。

2.両目で左を見る。ゆっくり、景色を見ながら、右を見る。機械的に目を動かさない。繰り返す。

3.両目で上を見る。ゆっくり、景色を見ながら、下を見る。機械的に目を動かさない。繰り返す。

4.両目で左斜め上を見る。ゆっくり、景色を見ながら、右斜め下を見る。機械的に目を動かさない。繰り返す。

5.両目で右斜め上を見る。ゆっくり、景色を見ながら、左斜め下を見る。機械的に目を動かさない。繰り返す。

6.中央から、左を見て、時計回しに眼球を動かす。ゆっくり、景色を見ながら。5回回したら、反時計周りに回す。

7.両手をこすりあわせ、両手で目を覆う。両目は閉じて。30秒、リラックスする。

ポイント:脳の運動でもあるので、機械的に目を動かさず、目に入るものをよく見るようにしながら眼球を動かす。

効果:目の筋肉を鍛え、焦点をあわせやすくする。コンピューターのディスプレイを見続けている場合は、

この運動は大きな効果がある。頭を動かさないようにする。

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Forward and Backward Bending 背骨を前後にゆるめる

   

1.両足を肩幅ほど離して、立つ。

2.息を吸いながら、両手を上にあげる。

3.吐きながら、両手を伸ばしたまま、体を前に倒す。

4.息を吸いながら、両手を上にストレッチしながら、背中、首を後ろに反る。3~4の過程を全部で10回ほど繰り返す。

5.可能な範囲で、スピードを上げていく。

6.スピードを落としていき、10回終わったら、ストップ。

 

ポイント: 足の付け根(股関節)から、体を前に曲げること。

ゆっくり動かしながら、様子を見て、決して無理はしないこと。

腰痛の方、年配の方、体が弱っている方は特に注意するか、避ける。

 

効果:猫背矯正、肝臓、腹部の内臓を刺激、血液循環をよくする、首、肩のこりに効果的

副腎皮質を刺激し、自信と活力を与える。

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Pascimatasana パスチマッタアーサナ(前屈)

 

1.両足を伸ばして座る。

2.つま先を両手でつかみ、手前へ引っ張る。手の届かない人は足首をつかむか膝の上に手を置く。

3.膝の裏を伸ばす。息を吸いながら、背中をそらし、斜め上のほうを見る。

4.息を吐きながら、腹部を太ももにつける。胸、頭の順番で、足につけていく。曲がらない人は、出来る範囲まで前屈。5呼吸キープ。

5.次の吸う息で頭、胸、腹の順番でもちあげて、元の位置に戻る。

6.息を吐きながら両手を離して、リラックス。

ポイント:深く曲がることより、足の裏がのびることが優先。足の裏の向きに注意。親指側だけが内側に入っていないか。足の裏は平行にする。

 

効果:全身の疲れを癒す。背中、肩、腕、足の筋肉をリラックスさせる。背骨を刺激し、神経系を整える。坐骨神経痛、腰痛、痔、糖尿病、生理不順に効果的。老化防止。肥満防止。腹と太ももの贅肉を取る。美尻効果あり。消化力を高める。気に流れをよくし、このポーズを長年続ければ、あらゆる病気から解放される、とされる。

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Bhujangasana ブジャンガアーサナ(コブラのポーズ) 

  

1.うつぶせになる。両手は肩の横につく。両足はそろえる。

2.息をいったん吐いて、息を吸いながら、頭と胸を持ち上げる。脊椎のひとつひとつを意識しながら背中を沿っていく。

3.肩は下げて、5呼吸繰り返したら、息を吐きながらゆっくり額を床に戻し、休む。

 

ポイント:心臓病疾患、ヘルニア、高血圧の方は避ける。肩が上がらないようにすること。腕は曲がってもよい。視線は斜め上。眉間にある第3の目を意識。腰が痛い人は、ひざは離してよい。

 

効果:腸の働きを活性化、便秘に効く。坐骨神経痛、ヘルニア、腰痛にも効果的。腎臓を刺激するため、腎臓結石の予防にもなる。体幹のインナーマッスルを鍛える。 

 

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Matsyasana 1(魚のポーズ 足を組まず)

1.あおむけになる。両足は揃えて伸ばした状態。手のひらを下にして、お尻の下に両手を置く。

2.息を吸いながら、胸を高く持ち上げ、背中を弓なりにし、頭を床につける。ゆっくり胸で呼吸する。

ポイント:頭を床から浮かして、両肘のサポートだけで、上体をキープしてみることにもトライしよう。

胸をできるだけ開き、肩甲骨をできるだけ引き寄せる。

 

効果:ハートを開く。首、肩のコリをとる。目の疲れ、頭痛、めまい、疲労回復、二日酔い、鼻づまり、耳鳴り、腎臓病、風邪に効果的。

 

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Nadi Suddhi Pranayama ナディ スッディ プラナヤマ (片鼻呼吸法)

1.右手の人差し指と中指を折る。親指を右鼻に、薬指を左鼻につける。

2.左鼻穴から息を吸いながら6つ数える。

3.左鼻穴を薬指で閉じる。クンバカ(息を止める)して、12数える。

4.右鼻穴を開き、息を吐く。12数える。

5.右鼻穴から息を吸いながら6つ数える。

6.右鼻穴を薬指で閉じる。クンバカ(息を止める)して、12数える。

7.左鼻穴を開き、息を吐く。12数える。

これを1ラウンドとして、5~10回行うようにする。

カウントは、1(吸う):2(クンバカ):2(吐く)で行っている。

6:12:12で苦しい方は、3:6:6など、変えて行ってもよい。

もっと長いほうがいい方は、12:24:24など長くしてもよい。

 

シャバアーサナ(あおむけで寝る。アーサナの後に必ず行います)

お疲れ様でした。

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ヨガのホリスティック・アプローチ

 ヨガ的視点では、人間の体は5つの鞘でできていると考えます。

1.Annamaya Kosa(アンナマヤ・コーシャ、Physical Body  私たちの目に見える物理的身体のこと),

2.Pranamaya Kosa(プラーナマヤ・コーシャ、Vital Energy Body  生命エネルギー体),

3.Manomaya Kosa(マノーマヤ・コーシャ、Mind Body and Astral Body  心とアストラル体。感情に関わるボディ),

4.Vijnanamaya Kosa(ヴィッニャーナマヤ・コーシャ、Knowledge Body  理知体),

5.Anandamaya Kosa(アーナンダマヤ・コーシャ、Bliss Body  至福のボディ)

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1のAnnamaya Kosa は、上に紹介したアーサナを行うことで整えていきます。

 

では、2~5はどのようにしてバランスをとっていくのか以下に見て行くとしましょう。

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【2.Pranamaya Kosa 調気法】

この層は、調気法によって整えていきます。

調気法とは、呼吸をコントロールすることで、気を整えることで、

呼吸法とも呼ばれます。プラーナ(気)のバランスを取り戻すことで

心身の不調を改善するアプローチは、ヨガ独特の方法ですね。

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【3.Manomaya Kosa 感情コントロール】

ストレスが起こると、まず一番最初に乱れる層が、感情に関わるこの層です。

この層が乱れ、他の層へ影響を与えていきます。

この層のバランスを取るには、バクティヨガをします。

バクティヨガとは、エゴ(我)を小さくし、大いなる存在に身をゆだねて生きることです。

バクティヨガの精神を学ぶと、脳や神経組織のバランスが取れ、悪い習慣を克服し、

あらゆるアンバランスから完全に自由になると考えられています。

感情をコントロールできるようになると、あなたが人や物事に対して、

どんな反応をしたらよいのか、どんな選択をしたらよいのかがわかるようになり、

ストレスが軽減され、病も起きなくなる、とヨガでは考えます。

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【4.Vijnanamaya Kosa 正しい知識】

ストレスや病から解放されるには、他の誰かや状況を変えるのではなく、

あなたの心の持ち方を変えていくことが大切です。

「幸せとは何か?」この答えを間違った方向から正しい方向へ導いてくれるのがヨガです。

人間関係や、仕事や、お金、衣食住の楽しみが、一見、幸せのためになくてはならいものと思われ、それを追い求めてしまいますが、

それらを通じて、私たちは、「内なる世界の完全な静けさ」を実は求めているのです。

「本当の幸せとは何か?」問いかけてみてください。

ヨガのポーズや瞑想を通じて、この意味がわかれば、

心身の不調も改善する、とヨガでは考えるのです。

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【5.Anandamaya Kosa 至福の境地】

ヨガの哲学の一派、ヴェーダンタでは、私たち人間を含めて、宇宙の全ての源は、

“至福”である。至福の状態に至るのが人生のゴールであると考えます。

至福に至るための道。

この層のバランスをとるためには、カルマヨガを実践します。

カルマヨガとは、結果に執着せず、結果を期待したり、不安に思ったりせず、

ただ、行為自体を楽しみ、リラックスして行い、大いなるものへのギフトとして行うことです。

私たちのほとんどは、「お金が欲しい、名誉が欲しい、認められたい」など期待をして仕事をしていますよね。

しかし、この2つの生き方を比べてみてください。

1.小我のために行為をして、自分から必死に追いかけ欲しいものを手に入れる。

2.小我を超えた大我として、あらゆる行為や仕事に取り組み、全てに愛と感謝を感じながら、スムーズに導かれながら生きる。

カルマヨガでは、2の生き方をすすめるのです。

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いかがでしたか?

これら5つのバランスが取れるようになれば、

体のアンバランス、エネルギーのアンバランス、心のアンバランス、知性のアンバランス、

人生のアンバランス、から自由になるでしょう。

全ての側面で、あなたは幸せになるのです。

それが、他のアプローチにはない、ヨガの優れたところであり、魅力です。

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ここにご紹介したヨガは、全体のうちの、ほんの一部で、

まだまだ、あなたが知らないヨガの魅力があります。

もっと自分の心と体について知りたい、

宇宙の真理が知りたい、人生をよりよく生きる智恵が欲しいという方は、講座をご参照下さい。

解説/講師 鶴田京子