瞑想で大切なことは
「成果を期待しないこと」です。
成果を期待すると成果が出にくくなってしまうからです。
私が15歳で瞑想を始めた時、幸いにも、
それが自然とできたために、
人生や性格にとても
大きな変化が起きました。
なぜ、成果を期待しないでできたのかというと…
私が瞑想に出会った時、
瞑想とは何か
とか、
瞑想にどんな効果があるのかを
知らないまま、
実践が先にあったからなのです。
瞑想についての本も読んだことはありませんでした。
そもそも自分がしていたことが
瞑想だったということに気づいたのも
ずっと後になってからです。
幼少から自分の劣等感や
自信のなさ、
それによる人間関係に悩んでいて、
なんとかしたいと藁をもすがる思いで、
雑誌に載っていたパワーストーンを
購入したところ
付録としてついてきたのが、
瞑想のカセットテープでした。
それを瞑想とも知らず、
効果が何かも知らず、
ただ「気持ちいいから」
毎晩寝る前に聞いていました。
だから、「いつまでに、絶対こうなりたい」
というのもなかったんですね。
なんで変化がないんだろう?
いつまで続ければ変化が起こるのだろう?
あの人はこんな変化があるのに
なんで自分には
その体験が起きないんだろう?とか
そういった比較対象もなかったのです。
こういった、期待や比較があると
瞑想は効果が出ないんですね。
なぜなら、それらは思考、執着だからです。
思考、執着を手放していくことが
瞑想だからです。
瞑想の素晴らしさを伝えることになった今、
振り返って、
32年前のその瞑想の出会い方に
とても感謝しています。
後にヨガ講師になった時にも
ゲストハウスで知り合った女性が
ヴィパッサナー瞑想に行くように勧めて
くれた時も、
どんな瞑想か?
どういいのかは全く教えてくれないまま
「いいから、とにかく行ってみて」と
言われるがままに
行くことになりました。
今回、インドのリシュケシュで
滞在した瞑想アシュラムでは、誰も何も言ってきません。
こちらから話しかけなければ
誰も話しかけてもきません。
とても自由でもあり
成熟した瞑想実践者たちの
集まりだと感じます。
周りの人達に体験を聞いても具体的な話は出てきません。
「個人個人の経験は違います」
「私はただ幸せです」という
回答が来たくらい。
こんな風にどうやら私は
瞑想との出会いはいつも、
「効果を期待しないように」
大いなる力によって隠されているような
ところがあるのが不思議ですね^_^
では、すでに期待や比較対象を
持ってしまった方は
どうすればいいのでしょう?
期待したり比較するのは
マインドの性質です。
そうしたマインドの性質を知って、
瞑想中に期待や比較が出てきたら
「出た出た」と気づくのが第一歩です。
瞑想初心者は、それに気づけなくて、
完全に思考の雲の中に入ってしまい
ずっと囚われたままで
時間が過ぎていきます。
そして、そのマインドの訴えに悩んでしまう。
マインドの奴隷になって
マインドが要求することに
応えようとしてしまうんですね。
どういうことかというと、例えば、
比較して他の人に起きている体験が
自分に起きないとなった場合
なんでそれが起きないんだろうと
悩み続けたり
どうすれば自分にも起きるんだろう
と考え続けること。
その手段を追いかけ続けること。
それが思考の雲の中に入り込んでいる状態です。
そういったマインドの性質を学ぶことが大切です。
それを知っていると
瞑想中に「ああ、これかあ」と
マインドに対して一歩引いた視点が持てるわけですね。