カルチャーショック!インドのトイレ事情

何でもシェアのインド人がシェアしたがらないもの

インドでびっくりしたカルチャーショックの一つ。

ペットボトルのミネラルウォーターを飲んでいると、通りがかりの知らない男の人が、「その水ちょうだい」と言ってくることは一度や二度ではありません。

インドでは水は知らない人とでもシェアするのがマナーなようで。だから直接口をつけて飲むようなことはせず、普段から誰とでもシェアする前提で、ペットボトルは口から離して水を飲むのがインド式です。

インド滞在1年目の時、ヨガ大学のコースに参加していた時のこと。教室に置いていた自分の水を、知らない人たちが、どんどん飲んで行くので、

「ボトルに名前を書いておこうかな」とつぶやいたら、

年配の女性から「だめよ!そんなことしちゃ!

インドは何でも人とシェアするのよ。私のものとか、あなたのものとかいう概念を持つのはいけないのよ」と言われ、感心したのを覚えています。
 
しかし、です!

何でもシェアの国のはずなのに、知らない人にトイレを貸すことは、また別の話のようなのです。

お店に入り、トイレありますか?と言っても、あるはずなのに、「ない」と返って来ることが多いです。

従業員も使っているはずですが、お客さんとはシェアしたくないようなのです。

以前、記事にも書いた、すごく仲良くなったはずの眼鏡屋さんでさえ、「トイレはない」の返事。

普通の洋服屋さんや雑貨屋さんはおろか、レストランやカフェにもトイレがないことが多くて困ります。

あるレストランには、トイレらしきものがあるのに、何年も「故障中」の張り紙が貼ってあったりします。

わざわざホテルに戻るのも大変です。
ではどうするかというと、公衆トイレを使うしかないのです。
 

インドの面白い公衆トイレ事情

もう一つのカルチャーショックは、なんと、なんと、公衆トイレにメニューがあることです。

公衆トイレにメニュー!?
どういう意味かというと、「大」と「小」いずれをするかによって、値段が変わってくるのです!
大のことを、こちらでは、ロングと言います。
小のことを、ショートと言います。

公衆トイレの前に、お金を徴収する人が座っていて、
「ロングかショートか」聞かれる場合もあれば、勝手に「ロング料金」を徴収されることもあります。

ショートに行ったのに、出てきたら、時間が長かったという理由で「ロング料金」を請求されたこともあります。

お釣りを受け取った主人が「ロング料金取られたよ」と言うので、「私がしたのはロングじゃなくて、ショートだったのに!」というと、「ロングと思われたんだから、しょうがない」と暖簾に腕押しな返事。
 
「公衆トイレにロング料金、ショート料金があるのは面白いね。

便秘料金、下痢料金、とかもあって壁にリストが書いてあったらもっと面白いね!

ロングー5ルピー
ショートー2ルピー
便秘ー10ルピー
下痢ー20ルピー
とかね」
と私が言うと、大ウケする主人。

日本の両親にこの話をしたところ、「インドはトイレでお金を徴収せんといかんくらい、経済的にやっていけん国なんかな」とブラックジョークを飛ばす父でした。
 

落ち着けないインドのトイレ

カルチャーショックが止まらないインドのトイレ事情。

もう一つは、自分がトイレをしている間、他の人が来る場合があるということです。

以前、シェアのジープ(こちらではタクシーのようなもの)で旅行中、途中のトイレ休憩に寄りました。

しかし、そこには壁がなく、トイレがずらーっと並んでいるだけ。

私が入った時は、誰もいなかったのですが、途中で、誰かが入って来ました。

誰かに見られては、ウカウカ、トイレをしている気持ちになれません。
 
バスやジープのトイレ休憩が、普通のトイレではなくて、草むらのこともあります。
草むらで、知らない人の隣で、少し間隔を開けて座り、トイレをするのです。
大抵、女性側と男性側と離れて座っていますが、同性だとしても、落ち着かないもの。
 
他にも、トイレに入って、鍵を締め、用を足していると、自分が締めたドアではなくて、右側の壁であるはずの方から、ドアが開いたことがあります。そちら側は、男性用トイレの方向のはず。

トイレの途中で、ズボンをあげ、慌てて外に飛び出したことがあります。
はー・・・インドのトイレは、こんなアドベンチャラスな体験ばかりです。
 
 

インド・トイレの謎

日本に洋式と和式の2種類があるように、インドにも2種類のトイレがあります。

洋式、そして和式にそっくりのものです。
和式とインド式のトイレの違いは、和式の水が自分の体の前方に流れていくのに対して、インドのは後方に流れていきます。

主人が日本に来て、初めて和式を使った時、どっちの方向に座るのか迷ったと言います。
自分の体の前方に、不要物が流れて行くのが、どうも受け入れ難かったようです。
 
インド式は、和式のようにスクワットの状態で座り、水道とバケツ、桶があるので、桶で水をすくって、手動式ウォシュレットのようにして洗います。

ここで、インド不思議発見!

昔、インドに長期滞在していた日本人の友人とも議論になったのですが、「水でお尻を洗って、濡れた後、みんなどうしているのか?」という謎があります。

どうも、トイレの話は、インド人に対して聞きにくい話題なので、直接聞いたことがありません。

長年住んでいる友人も聞けないというし、私も10年前から来ているインドですが、聞ける雰囲気ではありません。

一説によると、多くの人は、濡れたまま拭かずに自然乾燥するということらしいです。

しかし、男女ともに、インド人は、ピタッとしたスキニーパンツのスタイルが多いので、気持ち悪くないのかなと、その日本人の友人と話していたのです。

インドは乾燥した土地だから、すぐに乾くという考えなのでしょうか。

ちなみに私は、トイレットペーパーやタオルを持って入っています。

トイレットペーパーは、インドではあまり売ってないことが多く、あっても高めなので、水で洗った後に水分を拭く用の小さなタオルを用意しておくと便利です。
 

使いやすいのは洋式かインド式か!?

最近、洋式も増えて来て、おしゃれなカフェやレストランは、洋式を採用しているところが多いのですが、インド式の名残か、小さなシャワーがついていて(おそらく、バケツ型から進化)、用を済ませた後、シャワーでお尻を洗うようなのですが、便座が濡れていて、使いづらいのが洋式の欠点です。

インド式は、用を済ませて、自分のお尻を洗った後は、トイレ全体を水で流して出て行くので、割と清潔に保たれているのですが、それと同じ感覚でやるのか、洋式のトイレの便座も、水でベチャベチャになっているので、次の人が、それを拭かなければならず、困ってしまうのです。

ですから、よっぽど、インド式のトイレの方が、使いやすくて、ほっとします。
 

あると安心なグッズ

インドのトイレでは、水と手で、直接、便に触れて、お尻を洗うので、トイレから出た後は、もちろん石鹸で洗いたくなるものですよね。

しかし、石鹸がいつもあるとは限らないのが、インドのトイレ。

そこで、オススメなのは、日本からアルコール入りのウェットティッシュを持って来るか、インドの雑貨屋ならどこでも売ってあるサ二タイザーを使うかです。

サニタイザーは、水がなくても、液体を手に擦り込めば、除菌ができるというもの。
小さいボトルで60ルピーくらいで売っています。

石鹸は、持ち運びにくいので、これらがあると便利です。
インドに旅行に行く方は参考にしてみてくださいね。
 

ちょっと心配なこと

レストランのトイレでも、石鹸を置いていないことがよくあるインド。

コックさんは、便をした後、石鹸で洗っていないとしたら、その手でナンやチャパティをこねているのかしら・・・?

そんな話をチャパティを食べながら、主人と日本人の旅行者にしたら、「ウワー!やめてー!」と大騒ぎ。嫌な思いをさせてしまいました。ごめんなさい。

でも、そんなことを考えていては、旅行も生活もしにくいインドです。

神経質にならず、大雑把でないと、この国ではやっていけないので、こんなことも笑いに変えて行くしかないのです。
 
 

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